14 優しさ ページ16
モモンガside
「いや、マジであの時のA曹長やばかったよな〜」
「ほんと、動きが見えなくて気づいた時には終わってた。」
「あれで本当に16歳か？俺より年下なんだけど…」
「さすがガープ中将のお孫さんだけあるよな〜」
任務が完了してからと言うもの、船内はAくんの話で持ちきりだった。
報告によると、彼女一人で敵をほとんど殲滅し、
主犯のダボイも彼女があっという間に倒したという。
彼女は確かに並の海兵より強いが、8000万Bの賞金首を最も簡単に倒したとなれば、
曹長という位は彼女には持て余すものではないかと考える。
しかし彼女に直接、事の顛末を聞いても、
貴「いえ、私はまだまだ弱いです。
今回も任務中に自分を見失う事がありましたし、隊全体を考えられていませんでした。
それに皆さんが着いてくださったお陰で、無事に生きて帰ってこれましたし。」
と謙虚に反省してくるものだから困った。
16歳という若さでここまで大人な対応を取れるのは、海兵としてもう十分すぎるのではないかと思う反面、
もう少し16歳らしく周りに頼る力があってもいいんじゃないかと頭を抱える。
そう頭を抱えていると、コンコンコンと控えめにドアがノックされる。
失礼します、と入ってきたのは、先程から悩ませているAだった。
ﾓﾓﾝｶﾞ「どうしたのかね？」
貴「モモンガ中将に相談なんですけど、夕食を今日収容した民間人と一緒に取っても良いでしょうか？」
そうおずおずと話し出したと思ったら、意外にも簡単な相談だった。
ﾓﾓﾝｶﾞ「理由を聞いてもいいか？」
上司として念の為理由を聞く。
貴「今日収容した3人の民間人のうちの1人。
小さな女の子なんですけど、様子が心配で…ひどい扱われ方をされていた様なので、
いきなり軍艦に乗って環境が変わると食事も取りづらいんじゃないかと思って…」
なんとも優しい理由が返ってきた。
今日ほとんどの敵を倒した果敢な海兵が彼女だとは思えないほどだ。
彼女の民間人に対する思いやりを感じ、二つ返事で了承する。
ﾓﾓﾝｶﾞ「それなら問題ない。」
貴「ありがとうございます！」
不安そうだった顔が一瞬で嬉しそうに変わり、
礼を言う彼女は待てないのか足早に部屋を出ていった。
どれだけ敵を倒そうとも、その背中はやはり海兵にしては優しすぎる、とため息を吐きながら、
しかしこれからもっと強くなっていって欲しいと願いを込めて、昇格推薦書にペンを走らせた。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
