11 小娘 ページ13
しかしさっきの声が響いたのか、増援がこちらに向かってくる音が聞こえる。
こうなったら隠密の必要はない。部下に対して指示を出す。
貴「このまま全員殲滅しながら地下室へ進みます。着いてきてください！」
その声を皮切りに増援が一斉に顔を出す。
ざっと40人はいるだろうか。
剣や銃など重そうな武器を持つ屈強そうな男どもが向かってきた。
対して私は素手だ。
一見戦力差があるように見えるが、私には拳と素早さがある。
敵と見えた瞬間から飛び上がり、手当たり次第殴る蹴るを繰り返す。
重い武器を持つ敵は動きが遅い。
予備動作の隙を見つけては一発入れていく事を続けると、地下室へと辿り着いていた。
地下室は暗く、カビたような匂いがする。
暗闇の先には今日見た敵の中でも最も図体が大きく、銃を構えた男がいた。
ダボイだ。
見た目はいかにも薄汚く太った海賊。
金はあるのか金品を纏っているが品がない。
鼻息を荒らげこちらに構えた銃口が震えている。
こちらがほとんど制圧した事に焦っているようだ。
貴「ダボイですね？あなたを武器・人身売買の容疑で逮捕します。」
私が名前と罪状を言い放つと、今度は暗闇の中で私の姿を捕えたダボイは笑いながらこちらを煽ってくる。
ﾀﾞﾎﾞｲ「はっ、俺の仲間がやられてるんだからどんな海兵が来るかと思ったら！
こんな小娘が来るとはな！拍子抜けだぜ！」
小さな女海兵が来た事に安堵したのか、ダボイは笑いを止める事なく今度は銃口をしっかりと向けた。
互いに睨み合う一方、私は聞き飽きた言葉が脳内を反復していた。
“小娘”
海兵になってからと言うもの、小娘、小さい、女、そんな言葉は飽きるほど言われ続けていた。
女と言うだけで立場も力も弱く、この海賊時代を生き抜くにはひどく厳しく苦しい。
だから私は男にも負けないよう、小さい頃からじいちゃんの鬼の修行を受け、
海に出る約束を17歳から15歳に変えてまで海軍に入ったのだ。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
