9 作戦間近 ページ11
ハブ島付近の海域。
久しぶりの遠征で外に出られて心が躍る。
このところ書類との戦いだったので体が鈍って仕方がない。
甲板に出て外のからりとした空気を肺いっぱいに吸い込み、軽くストレッチをする。
任務開始まであと少し。
作戦に漏れがないか、もしもの時どうするかイメージトレーニングをする。
今回の作戦を簡単に説明すればこうだ。
島近くの海域で軍艦を止め、ハブ島へは目立たないように小型船で上陸する。
島中央にある建物に入るため裏口へと周り侵入し、煙幕を利用して敵戦力を排除。
その後地下室に捕えられている人質の保護だ。
私が率いるB班が先行し、D班の半分も合わせて侵入、もう半分が船の守りである。
私達B班が敵の主犯であるダボイという男を第一に捕えるのが重要なポイントとなる。
主犯であるダボイは懸賞金8000万B。
海賊や国相手に武器と人身売買を行っており、
戦争の再熱化、貧富の差の助長を危惧し今回捕える事になった。
そして今回の任務にクザンさんはいない。
その代わりモモンガ中将が引率してくださっている。
8000万B相手に大将が動くまでもないというのが表向きの理由だが、
仕事が終わっていないというのが本当の理由だ。
私がいない間にまた仕事を溜めてはいないだろうか、心配でため息が出る。
ﾓﾓﾝｶﾞ「大丈夫か？」
見かねたモモンガ中将が心配そうに声をかけてくれた。
貴「大丈夫です。任務のことよりもクザンさんの方が心配でため息が出てしまいました。」
と正直にいうと、なんとも言えない苦笑いだが励ましてくれた。
ﾓﾓﾝｶﾞ「君はあの青雉大将相手によくやっているよ。」
モモンガ中将は紳士だ。
ピチッとスーツを着こなし、剣士らしく背筋が伸びている。
厳しい指導もあるが、基本的に海兵に優しい。
今もこうやって励ましの言葉もかけてくれるほどに。
なので部下からの信頼は厚い。
クザンさんも強くて頼もしい所があるが、普段の仕事態度を見ると
やっぱりモモンガ中将の部下だったらやりがいがあるだろうな、と考えたりする。
貴「いえいえ、そんなことないですよ。モモンガ中将に比べたら私なんてまだまだ弱いですし、
もっと強くなるために頑張らないといけないんです！」
勢いに任せて中将へ言うと、頼もしいな、と目の端にくしゃりとシワよせて笑ってくれた。
笑っている顔なんて見たことがなかったので、少し見惚れてしまったのは隠しておく。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
