マレウス・ドラコニアは狙った獲物は逃がさない

６話 ページ6

『あの方がマレウス様の婚約者第一候補のソフィァ様ね』

『なんでも、あのパーティーのあと二人きりで会っていたみたいよ』




パーティー以来、皆、マレウス様とその第一婚約者であるソフィアさんの噂で持ち切りだ。


ソフィアさんは入学当時から首席で合格し、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。

まさにそんな言葉が似あう美少女だ。


圧倒的に私とは住む世界が違う。



今後、かかわることもないだろう。そう思っていたのだけれど


ソフィア「ごきげんよう、初めまして、かしら？」

A「えっ、あの…」

ソフィア「ごめんなさい、驚かせてしまったかしら」


そう言ってクスッと笑った顔はまさに天使そのものだ。



でも、私の見間違いかもしれないが目が笑っていない気がする





(私、何か目を付けられることした…？)







ゾロゾロと後ろについてきている取り巻きの女子たちも私をジロジロと見ている。
怖い！怖い！怖い！最近怖い目にしかあってない！！




ソフィア「今度のマジフトの応援についてお伺いしたくて」

A「えっと、あの…」

ソフィア「もし、応援する寮が決まっていないのなら一緒に応援しませんか？」

A「え、えぇ！それは是非。」

ソフィア「よかった！断られたらどうしようかと…。それじゃぁ、マジフトで」


そう言って微笑み、教室を出て行ってしまった。







(断っていたらどうなっていたんだろう…)








考えるだけでも恐ろしい、後ろにいた女子たちも彼女の機嫌を常に伺っているようだった。



彼女がすべての権力を握っていることはだれが見ても明白だった






何故かは知らないが、私は目をつけられているらしい…。









これ以上、目を付けられないようひっそり静かに過ごそう…。

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