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弱い生物は自分を強く見せようとする。そうして生き残ろうとする。本来ならそうあるべきはずなのに。彼は逆転されるがために強く見せようとする。私には理解が出来ない。まあ、そんなことどうでもいい。
「おい、どこ見て歩いてんだ！」
私は真っ直ぐ歩いていただけ。どちらかと言うとそっちからぶつかってきた。なんて言えない。ただめんどくさいだけ。落ちた資料を拾う。そうすると、慌てて彼が拾う。私が跪くのが嫌らしい。私には上でいて欲しいらしい。なんて我儘なんだ。多分彼の理想は「お前がぶつかってきたんだから、お前が拾えよ。」だろう。その後、拾う彼の頭を踏み付けるまでがセットだろう。
「本当にやめたんだな。」
悲しそうに言う。少しムッとして、そちらもやめたらいかがですか？と言い返してしまった。それが失敗だった。彼の表情が変わった。ほんのりピンクに染まった顔。煽ってしまった。
それから彼の猛攻が始まった。事ある毎に文句を付けてくる。傍から見たらただのいじめ。彼は私を怒らせてカウンターを待っている。それをすると彼の思い通り。そう言い聞かせ、耐えていた。が、流石にストレスの溜め込み過ぎと女性特有のが合わさって限界がきた。
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作者名：moka | 作成日時：2024年2月29日 0時
