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十一話 ページ12

「ねぇ、君は何ていう名前なんだい?」



「A!!」




すっかり泣き止んだ女の子は元気よく手を挙げ白い牙を見せて笑う。


頭を撫でるとさらに笑みが深くなる。


鬼にしては随分と可愛げがあるなぁ




「あの御方にいい名前をもらったね」


「…だぁれ?」


「あぁ、君のお父さんだよ」




Aちゃんは目を丸くすると俺の膝によじ登り、耳打ちをした。



「とぉたんね、むざ…」



咄嗟に、手でAちゃんの口を塞ぐ。



「名前を呼んじゃいけないよ。知らないのかい?」


「それとも、まさか君は呪いを外したの?」



「のろい?」



俺の手を退け、Aちゃんは頬を膨らます。



「そう。俺達鬼は、君のお父さんの名前や情報を誰かに話したらすごく怒られちゃうんだよ」


そして、暗い顔になり俯いてしまった。



ーーーーーー



「とぉたん!!!」



無限城に飛ばされるなりAちゃんは無惨様に向かって走る。



「のろいだめ!!」



無惨様は目を丸くすると額に血管を浮かせ俺を睨んだ。




「…余計なことを吹き込むな」



「いやぁ、申し訳ない!目玉でも差し出し…」



「いらん」




Aちゃんは無惨様の手を引っ張り声を上げて泣き出す。




「のろいやだぁ!」



「お前はかかっていないのだから、関係ないだろう」



「やぁだ!!」




見てるこちらが焦ってしまう。


無惨様の逆鱗に触れれば子供とて命はないだろう。




「お前が何故泣くのか、私にはわかりかねる」



「あいつらに同情でもしているのか?」




無惨様が屈むと、Aちゃんはその胸元へ飛び込んで行く。




「もしや、貴方様が名前を呼ばれない事を気の毒に思っているのでは?」


「…馬鹿にしているのか」



わぁ、怖い顔



「あ、Aちゃん!これをあげよう」



するとAちゃんが赤い目を覗かせる。


俺は血鬼術で氷の華を作ると、Aちゃんの手のひらへ飛ばす。



「ちめたい!」



「大事にしておくれ。なかなか溶けないようになってるから」




Aちゃんは瞬く間に笑顔になった




「………飛ばせ」



「どーま、ばいばい!」




そして琵琶の音が響くと共に俺の身体は飛ばされた。


可愛かったなぁ、また遊びに来よう♪

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(ねこたん ・∇・ - 「私を見下せたのがそんなに嬉しいか」にツボってます(( (2月25日 21時) (レス) @page4 id: f02fa02e3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 無惨と夢主が微笑ましすぎてつらい、気付かないうちに口角が釣り上がってしまいました! (2月18日 23時) (レス) @page43 id: e2553842fc (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶(プロフ) - 皇帝の一人娘みたいな感じがあって好き (2022年8月9日 19時) (レス) @page5 id: 59c4260589 (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» 鬼滅の刃の漫画を拝読させていただいた際に鬼舞辻無惨が自らがいる場(無限城や遊郭など)では名を呼ばれても呪いを発動していないシーンが見受けられましたので、本作もそのようにさせ頂きました (2022年2月16日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!返信遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした!これからも頑張って更新させていただきますので何卒よろしくお願いします! (2022年2月16日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もきゅもきゅ | 作者ホームページ:http://mokyumokyuuu  
作成日時:2019年12月27日 21時

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