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第2ボタン sgi(高校生パロ) ページ24

桜が舞い散る中、着慣れた制服で卒業証書を持って帰路につく。
卒業式が終わった後、ちらりと見た彼の学ランにはもう一つもボタンが付いていなくて、そりゃそうか人気者だしって妙に納得してしまった。


三年間ひっそりと想い続けた須貝とはどうにもなれなかった。
卒業式に告白だなんて漫画みたいなことも出来なくて、ただ上京してしまう彼にもう会うこともないのかな、なんて切なくなる。


はぁ、と重たいため息をついて利用するのも今日が最後であろうバス停に並ぶ。
あぁ、どうせ最後になるのなら皆でカラオケ行けば良かったな、でも須貝も来るだろうから誰に第2ボタン上げたのか分かっちゃうかもしれないし、なんて悶々としていたらいつもは遅刻してくるバスが定刻通りにやってくる。


これに乗ってしまったら最後かな。
やっぱり言えばよかったかも。
でも伝えてしまったら友達でさえ居られなくなるかもしれないし。
ぐるぐると色々考えていたら鼻の奥がツンとして涙が滲んだ。


「A!」


よく通る聞き慣れた声。
振り向くと須貝が息を切らせながらこっちに走ってきていて、丁度到着したバスを見送った。


「お前、勝手に帰るなよ」
「……ごめん」
「いや、素直か」


白い歯を見せて笑う須貝は私の青春だ。
放課後の教室から眺めた野球をしている彼も、授業中の真剣な横顔の彼も、おちゃらけてクラスのムードメーカーでいる彼も全部全部好きだった。

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作者名:ももりん | 作成日時:2020年5月30日 18時

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