甘いそれと、 (ページ18)

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愛しか　izw ページ18

毎日が目まぐるしくて、刺激が多い。
忙しいけれど、そんな日々が俺は好きだった。

「おいしーい」
そう言って幸せそうな顔してコンビニの新作スイーツを頬張っている彼女は、そんな日々とは対照的な存在で。
そんな彼女をまじまじと見ていると、Aは不思議そうな顔して首をかしげた。

「なぁに？」
「いや、幸せそうだなぁって」
「ふふっ、そりゃあ幸せだよぉ」

そう言って微笑んだAに俺も満たされたような気持ちになる。
どこでも手に入るたった200円のプリンをこんなに美味しそうに食べるなんてAくらいなんじゃないかって思う。

「だって、拓ちゃんと一緒にいられるんだもん。幸せ以外の何でもないよ」

驚いた。
俺にはその発想がなかったけれど、言われてみたらそうだったから。
ただ彼女といるだけで、特別なことなんて何もなくても十分過ぎる。

愛ってすげぇな。
俺、自分のことを仕事人間だと思ってたのに、Aのためなら全て失っても構わないなんて思ってしまった。
そんなの大げさだってお前は笑うんだろうけど、結構本気なんだ。

「A、愛してるよ」
「なに、急に」
「別に。言いたくなっただけだよ」
「変なの」

Aは笑って、俺も笑った。
Aがそこにいてくれることが何よりも特別なことで、そんな日常があるからこそ多忙で刺激的な毎日を素直に楽しめるんだなって当たり前のことにやっと気がついたんだ。