あなたの匂い fkr ページ1
「もぉ、早く髪乾かしなさい」
お風呂上がりにアイスを食べながらスマホで遊んでいたら拳ちゃんに怒られた。
だって面倒くさいんだもん、とそっぽ向いたら洗面所に連行された。
「髪、痛んじゃうでしょ?」
なんて文句を言いながらも、ローズ系の優しい香りのヘアオイルをつけてドライヤーをかけてくれる。
そうやって甘やかしてくれる拳ちゃんが好きだ。
毛先までつるんとまとまった長い髪は拳ちゃんの努力で出来ている。
「拳ちゃんありがとう、好き」
ぎゅうっと拳ちゃんに抱きついてキスをねだる。
ちゅっと軽く唇を重ねる。
嬉しくなって拳ちゃんの胸に顔を埋めた。
「拳ちゃんはどうしていつも良い匂いがするの?」
「えー?そうかな。
香水とかつけてないんだけど」
前に何かで読んだことがある。
良い匂いだと感じる異性とは遺伝子レベルで相性が良いって。
本当かどうかは知らないけれど、とにかく私は拳ちゃんの匂いが好きだ。
「拳ちゃん、ちゅー」
「もう、甘えたなんだから」
ふにゃりと笑う拳ちゃんが好きで、またキスをする。
拳ちゃんが私の首筋に顔を埋めて、ふふっと笑った。
「なぁに?」
「Aもいつも良い匂いするけどな」
いつ、どこで読んだ記事だか覚えていないし、そもそも何の根拠もないかもしれないけれど、あれに書いてあったことを信じたいな、なんて。
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作者名:ももりん | 作成日時:2020年5月30日 18時