he ページ9
飴色になるまで炒めた玉ねぎとひき肉をこねる。
付け合わせの人参のグラッセとポテトサラダはすでに出来ていて、あとはハンバーグを焼くだけだ。
ちらりと時計に目をやると午後七時を過ぎたところ。
そろそろAが帰ってくるだろうか。
二人で料理をすることはあれど、僕一人でAのために食事の準備をするのは初めてだ。
愛する人の帰りを待ちながら料理をするというのも良いもので、Aが喜ぶ姿が目に浮かび心踊る。
ハンバーグを焼き始めると玄関の開く音がしてAの「ただいま」という声がした。
犬のようにくんくんと美味しそうな匂いを嗅ぎ付けてAがキッチンに顔を出す。
目をキラキラと輝かせてご機嫌なAはさっさと着替えを済ませて今度は僕の抱っこを待っている。
「いただきます」
「召し上がれ」
蕩けそうな笑顔で何度も「美味しい」と言ってくれて僕も笑顔になる。
Aは素直で僕を真っ直ぐに褒めてくれる。
彼女と一緒にいて言葉の威力を実感した。
どれだけ想い合っていたって所詮僕らは他人同士で、だから伝えるというのはとても大事だ。
「ご馳走さまでした！
すごく美味しかったよ、ありがとう！」
「どういたしまして。……さて」
食器を下げると、僕は寝室に隠しておいたプレゼントを持ってきた。
Aは目を丸くして驚いている。
「ハッピーホワイトデー……なんて言うのかな」
僕はAの前に跪いてピンクのガーベラの花束を渡した。
それを受け取ったAの左腕を掴んでポケットに忍ばせていた腕時計をつけた。
シンプルなデザインのペアウォッチ。
ペアリングと悩んだけれど、それはやっぱり二人で見に行きたいから。
「これからも一緒に同じ時間を過ごそうね」
そう言ってAの手の甲にキスをした。
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
