he ページ6
Aの作ってくれたシチューの具材は不揃いだったけれど味は十分に美味しかった。
人参が歪なハート型をしていて、何を真剣にやっているんだと思ったのはこれだったのか、とAが愛しくなる。
Aは僕が作ったセロリのピクルスもどきを半泣きで完食した。
少し意地悪しすぎたかな、とも思ったけどやっぱり義理チョコで頭がいっぱいなAが悪い。
セロリにやられてテーブルに突っ伏しているAの分の食器も下げ、洗い物をしていると「よしっ！」とAがいきなり立ち上がった。
「本当は河村さんが寝てから一人でやろうと思ってたんだけど、セロリ食べさせられたから手伝ってもらうんだからねっ」
Aは僕に高らかにそう宣言すると冷蔵庫の奥からチョコレートと生クリームを取り出した。
いつの間にそんなものを、と僕が驚いているとAはにっこり笑った。
「ガトーショコラ、一緒に作ろ？」
ああ、いつだってAのほうが僕よりも一枚上手で。
Aは僕に抱きついてきて上目遣いで言う。
「義理チョコのことばっかりでごめんね？」
僕は洗い物をする手を止めてAの頬にキスを落とす。
「僕こそごめんね」
ふふっと笑うとAが目を閉じて顔を上げたのを合図に唇を重ねた。
決して手際は良くなくて、粉をこぼしながら一生懸命に作ってくれるAは本当に可愛くて、僕はきっと世界で一番幸せ者だ。
明日は甘い甘いバレンタインデーになるだろう。
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
