He ページ26
珍しく髪をアップスタイルにしているAに目を奪われる。
薄紫の浴衣が白い肌によく似合っていて、後れ毛の垂れるうなじはなんとも言えない色気があって少し緊張してしまう。
ご機嫌そうに林檎飴をかじる子供っぽさと和装独特の艶かしさのアンバランスさがとても魅力的で僕はまた恋に落ちる。
「そろそろ花火始まるみたいだよ、行こう！」
無邪気な笑顔で僕の手をひくA。
人混みこの中、はぐれてしまわぬように、ぎゅっと繋いだ手は僕より一回りも小さくて、そんなことが愛しくてたまらないだなんて。
打ち上がった花火を見上げてAはとても綺麗だ。
心地よく響く花火の音と自分の鼓動が重なって、なんだか切なくなってしまう。
僕の視線に気づいたAが微笑んだ。
「河村さん、好き」
ぱっと花火が夜空に咲いてAの顔を照らしてから、どおんと大きな音が鳴る。
ふふっと笑ってAは言った。
「花火の音って胸に響いて、なんだか恋に落ちる音みたいじゃない？」
恥ずかしげもなくそんなことを言うAに僕はなんだか感心してしまう。
そして、あぁ、そうか、だからこんな気持ちになるのかと妙に納得して思わず笑った。
僕はAのこういう発想がとても好きだ。
Aは知らないだろうけど、僕はもう何度もAに恋をして、おそらくこれから先も数えきれないほど恋に落ちていくだろう。
それは僕だけじゃなくてAもそうであったらいいな、なんて贅沢な願いだろうか。
次々と打ち上がる花火を眺めながらそんなことを考えて、ほんの少しだけ繋いだ手に力をいれた。
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
