葉月 he ページ24
帰宅するとAが大きな浮き輪とゴーグルをつけて僕を出迎えた。
「海に行き」
「嫌だ」
食いぎみに即答するとAは「そう言うと思ってたけど」とむくれたが、それ以上は何も言わなかった。
とぼとぼと寝室へ向かったAに「すまんな」と心の中で謝って食卓につく。
すると今度はキラキラした目で何かを隠してこっち来た。
次はなんだ。
「じゃあ、花火大会行こう！」
浴衣を見せつけて、勝ち誇ったような顔をしているA。
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックなんて何処で覚えてきたのだろうか。
「まぁ、花火大会なら」
「やったー！」
大袈裟に喜ぶAが可愛くて、僕も嬉しくなる。
花火なんて何年ぶりだろうか。
人混みは苦手だが、それでも行きたいと思うのはAと一緒だからなんだろう。
食後にご機嫌で好きな歌を口ずさみながら洗い物をしているAに後ろからぎゅっと抱き締めた。
「どうしたの？」
珍しく僕から甘えに行ったのでAは驚いたのか手を止めた。
「海、行きたかった？」
「えー？
そりゃあ、行きたかったけど多分無理かなぁって思ってたよ」
ふふっと笑ってるAに少し申し訳なくて「ごめんね」と謝った。
「ねぇ、もう水着は買ったの？」
「うん、買ったよ。
友達とナイトプールでも行っちゃおうかな」
僕と違って社交的なAはちょくちょく女子会だなんだと出掛ける。
それは良いことだと思うし、浮気だとかそんなこと疑ったりしたことはないけれど。
あぁ、でもナイトプールだなんて、ナンパとか大丈夫なんだろうか。
そもそもAの水着姿を他の男に見せたくない。
なんて悶々としているとAが笑った。
「うそうそ！行かないよぉ。
ねぇ、河村さん、来年はさ小さなプライベートビーチでいいから一緒に行こうね？」
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
