You ページ3
二時間以上待ってようやく拝殿にたどり着く。
私はパンッと手を打つと河村さんが「二礼二拍手一礼だよ」とそっと耳打ちしてくれた。
ああ、そうかと改めて二度頭を下げて五円玉を投げ入れ、かじかんだ手を二度打った。
ぎゅっと目を閉じて河村さんに言われた通りにまずお礼を言うと願い事をした。
真剣さが伝わるように五回も繰り返して、念押しでよろしくお願いしますと頭を下げて目を開けて横を見ると河村さんが笑ってた。
真っ暗な帰り道。
手を繋いで白い息を吐きながら河村さんと歩く。
「で、結局何をお願いしたの？」
深夜特有のこの澄んだ空気が好きだ。
アスファルトを蹴る草履の音が心地良い。
「願い事って人に話したらいけないんでしょ。
だから内緒」
「その願い事を応援してくれる相手だったら、むしろ話した方が叶いやすくなるんだよ。
僕はAのこと応援するけど」
「それ、本当？」
「どっちが？」
「話したほうがってほう」
河村さんはふふっと笑って本当だよと言った。
真っ白な肌が寒さのせいで赤らんでいてとても綺麗だ。
「じゃあ、河村さんにだけ教えてあげるね？」
立ち止まって彼を見つめる。
耳打ちしようと背伸びすると河村さんは少ししゃがんで合わせてくれる。
冷たくなった耳に囁くように言った。
「ずっと河村さんと一緒にいられますように」
河村さんは驚いて私を見てまた笑う。
「僕と同じだね」
ねぇ、神様。
私たちの願いはきちんと届いたでしょうか。
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
