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「何が幽霊や！お前ちゃんと足あるやんか！」
いや、そこなのと自分に突っ込みながら、そいつのつま先を指差してやる。
ご丁寧に真っ赤なペディキュアまで塗ってあって、それが余計に俺を苛立たせた。
「そんなこと言われたってぇ」
泣きそうな顔して俺を見つめる自称幽霊は、身体が透けている訳でもなく、頭の上に変な輪っかもなくて、勿論白装束姿でもない。
あの日のAの姿なのだ。
眉根を寄せて見るからに困惑しているそれに胸が痛む。
俺が作り出した幻覚ならそんな顔するなよ、笑っててくれよ、いや俺が泣かせるようなことしてんだろうが、なんて一人で混乱する。
頭を抱える俺に、Aに瓜二つのそれはおろおろしだす。
「駿ちゃんごめんね……急に出てきて驚いてるよね……」
「なぁ」
俺の妄想なんかじゃなくて、本当にお前がAの幽霊でそこにいるのなら。
「顔、見せて……」
そう言ってそいつの頬に手を伸ばした。
予想外に透かすことはなく、確かにそこに触れることが出来た。
そいつは俺の手に自分の手を重ねて懐かしむように微笑む。
ああ、こんなことってあり得るのだろうか。
死んでしまったはずのAが今俺の前にいる。
それでも、あれは悪い夢だったのか、やっぱり生きてたんじゃないかと思い違いをせずに済むは触れたことで彼女はもう生きていないと確信出来たからだ。
そう。
今ここにいるAは温かくも冷たくもなくて温度を持っていなかった。
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ももりん(プロフ) - ユズさん» ユズさん、コメントありがとうございます。更新が滞り気味ですが、最後まで読んでもらえたら嬉しいです^^ (2021年10月21日 10時) (
レス) @page17 id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
ユズ - コメント失礼します。うまく言葉で表せないですがももりんさんの作品は、他の作品よりも文才が長けていてすごいなぁと感心します。これからも応援しています！ (2021年10月17日 17時) (レス) id: 7da5d24735 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - 物凄く嬉しいコメントありがとうございます、励まされました！ゆるゆるとですが更新頑張りますので宜しくお願いします(^^) (2021年5月8日 19時) (レス) id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
。 - 想像以上に面白かった。久しぶりに文才が長けてるなぁと思う作品に出会えた。何で評価低いのか分かんねぇ！！ (2021年5月8日 3時) (レス) id: 14395269f5 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - わらべさん» コメントありがとうございます！一年後って…って感じで物理博士には辛い思いをさせてしまっていますが、甘いエピソードもぶち込んでいければと思ってますので、是非最後までお付き合いくださいね！ (2021年5月7日 18時) (レス) id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2021年5月4日 21時
