天使のようだったから ページ8
嫌な沈黙が流れたと思ったらAちゃんはその空気をいとも簡単にぶち壊すようにケラケラと笑った。
でもその笑顔は歪んでて、目の奥が怒りなのか悲しみなのか、とにかくネガティブな感情に満ちていた。
この人、こんな顔するんだな、と妙に冷静に思ったのと同時に何故だが胸が締め付けられるような気持ちになる。
何か言わなきゃ、と思ったけれど適切な言葉が浮かんでくることはなくて黙ったまま彼女の引き攣った口元をぼんやりと眺めた。
すると今度はLINEの間抜けな通知音が鳴るとともに、メッセージが画面上に表示された。
反射的にそれに目をやってしまう。
“ごめん。戻ってきて”
さっきの男の名前と、意味深な言葉たち。
思わず目を伏せる。
「彼氏なんだよねぇ」
不機嫌にむくれて吐き捨てるように彼女は言った。
「電話出たほうが……」
なんて大きなお世話だし、微塵もそんなことは思ってないのに。
「うーん……。本当は今日ね、二人で沖縄行く予定だったんだけどね」
ああ、それであのスーツケースか、と納得する。
口を尖らせているAちゃんはあからさまに機嫌が悪い。
「すっぽかされちゃったっていうか……。
女の子のとこ居たみたいで、しかもその子の家で寝坊して？みたいな」
こんなんギャグみたいだよねぇ、とAちゃんは笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももりん(プロフ) - 早瀬さん» はじめまして。早瀬さんからコメント頂けるなんて……！嬉しいお言葉ありがとうございます(*_*)のんびりの更新になると思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。私も早瀬さんの作品楽しみにしてます♪コメントありがとうございました！ (2021年4月24日 10時) (
レス) id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - はじめまして。『花束を君に』がとても好きで、それからももりんさんの作品を拝読しております。fkrさんが好きなのでももりんさんのfkr長編が読めること、とても嬉しいです！更新楽しみにお待ちしております！頑張ってください♪ (2021年4月23日 22時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももりん | 作成日時：2021年4月18日 23時
