はしゃぐ君が ページ6
物が少なくて生活感のない部屋にキラキラしているAちゃんは不釣り合いで、彼女は確かにそこに存在しているのに、俺の部屋に無理やり貼りつけたCGか何かのような違和感があった。
汗と湿気でべとついている彼女のうなじにポニーテールの後れ毛が貼り付いていて、そこだけがやけに生々しい。
「シャワー浴びる？汗かいてるみたいだし」
「いいの？」
「着替えとか適当でいいなら貸すけど」
「わー、ありがとうっ」
そのままAちゃんを浴室まで案内して、タオルの場所を教えて脱衣場を出た。
扉を閉めたあと、全身の力が抜けてその場にしゃがみ込む。
ご機嫌そうな鼻歌が聞こえた。
なんて呑気な、と呆れる気持ちとでもまぁそれがAちゃんの良いところなんだよなって惚れた弱みが混在したため息をついた。
いや。
勢いで泊まっていいとは言ったものの、俺は今夜この人と一夜を共にしなきゃいけないわけで。
次から次へと彼女から繰り出される悪意のない誘惑に一晩中打ち勝てるのだろうか、俺は。
シャワーの音がして、Aちゃんの透き通るような白い肌が脳裏に浮かぶ。
なんだか急に自分が卑しく思えて、否定するように頭をぶんぶんの振った。
さっさと着替えを準備しなくては、とやっとの思いで重い腰を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももりん(プロフ) - 早瀬さん» はじめまして。早瀬さんからコメント頂けるなんて……！嬉しいお言葉ありがとうございます(*_*)のんびりの更新になると思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。私も早瀬さんの作品楽しみにしてます♪コメントありがとうございました！ (2021年4月24日 10時) (
レス) id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - はじめまして。『花束を君に』がとても好きで、それからももりんさんの作品を拝読しております。fkrさんが好きなのでももりんさんのfkr長編が読めること、とても嬉しいです！更新楽しみにお待ちしております！頑張ってください♪ (2021年4月23日 22時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももりん | 作成日時：2021年4月18日 23時
