くるくる回って ページ5
「シンデレラみたい」
そう言ってAちゃんは嬉しそうに声を弾ませる。
決して綺麗とは言えない壁にもたれ掛かってもらって、ひざまずいた俺の膝にサンダルを脱いだ彼女の片足を乗せる。
赤くなっていたところは皮が剥けていて痛々しかった。
一つ一つにそっと優しく絆創膏を貼る俺をAちゃんは愛しそうな眼差しで見てた。
「拳ちゃん、大人になったねえ」
恐らく彼女の中の俺は小学生の頃のままなのだろう。
それがなんだか寂しくて曖昧に笑う。
絆創膏を貼り終えてサンダルをはかせてあげて「大丈夫そう？」と声をかけるとAちゃんはぴょんぴょんと飛び跳ねて見せて「大丈夫！」と満面の笑みを見せてくれた。
彼女のこういうところが好きだったな、と懐かしく思うと同時に胸がチクリと痛んだ。
「歩いて10分くらいなんだけど、大丈夫？」
「うん。急にごめんね？」
「ああ、いや……。あ、これ俺が持つよ」
そう言ってやたらと大きなスーツケースを右手に歩き出そうとすると、左腕に彼女が絡みついてきた。
驚いてAちゃんを見ると、腕を組むのがさも当たり前のような顔で俺の顔を覗いてにっこりと笑った。
「拳ちゃん、ありがとう」
そういう無邪気で茶目っ気があって、自然にこういうことしちゃうのは相変わらずで、やっぱり俺もあの頃と同じくAちゃんのそこに惹かれちゃうんだから成長なんかしてないのかもなって思った。
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ももりん(プロフ) - 早瀬さん» はじめまして。早瀬さんからコメント頂けるなんて……！嬉しいお言葉ありがとうございます(*_*)のんびりの更新になると思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。私も早瀬さんの作品楽しみにしてます♪コメントありがとうございました！ (2021年4月24日 10時) (
レス) id: 2cecb9fa7c (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - はじめまして。『花束を君に』がとても好きで、それからももりんさんの作品を拝読しております。fkrさんが好きなのでももりんさんのfkr長編が読めること、とても嬉しいです！更新楽しみにお待ちしております！頑張ってください♪ (2021年4月23日 22時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2021年4月18日 23時
