he ページ33
目の前で真情を吐露する彼女に面食らったが、そんなふうに思っていたのか、と妙に関心してしまう。
教師だとか教え子だとか、そうやって勝手にカテゴライズして、こうあるべきだとかどうだとか理想だとか幻想だとかプライドとか、そんなの結局全部戯言だ。
「ごめん……でも、」
もし、君が許してくれるなら。
俺も君を知りたいと思う。
優等生じゃない君を、俺を好きだという君を、一人の女性としての君を。
チカチカと消えたり付いたりを繰り返していた街灯は力尽き、完全に消えた。
田舎過ぎず、都会でもないこの街は星の光は届かなくて俺たちはこの世界に二人ぼっちになってしまったような錯覚に陥る。
「Aさんがそんなふうに思ってくれているのが嬉しい」
俯いて涙を拭っている彼女に一歩近付いて、抱きしめようと腕を伸ばす。
それを拒みもせず受け入れた君は今何を思っているのだろう。
「俺の名前、覚えてる？」
再び俺の腕の中に収まった彼女は小さな声で言った。
「渡辺、航平……」
フルネームで呼ばれたことがなんだか可笑しくて、つい笑ってしまう。
恥ずかしそうに俺を見上げた彼女は暗い中でも分かるほどに頬を赤く染めていて、さっきまでの威勢の良さは何処かへ行ってしまったようだ。
「あの、こ、航、平さん……」
「うん？」
違和感だらけの呼び方がくすぐったくて、愛しい。
「私も、下の名前で呼んで欲しい……です」
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ふじ - もう面白いです！続き待ってます！ (2020年11月14日 0時) (
レス) id: 68c088e357 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - こうちゃーーん！可愛すぎるしカッコよすぎる。続きが楽しみです！更新頑張ってくださぁぁい！ (2020年11月9日 6時) (レス) id: f413f36fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチフラペチーノ - あぁーこのカンジのお話好き！応援してます！頑張ってください！ (2020年11月6日 15時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年10月30日 6時
