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最終下校の時刻を過ぎて、残っている生徒はいないか教室を見て回った。
まだ寒いとはいえ少し日が伸びたな、なんて思いながらぼんやりと廊下を歩く。
最後にAさんに会ってからもう一ヶ月。
偶然なんてそうそう起こるものではなくて、バスで会うこともコンビニで彼女を見かけることもなかった。
これで良かったんだってもう何度自分に言い聞かせただろう。
高校生に戻りたい、とふと思う。
出来るなら彼女と同級生として高校生をやり直したい。
もしそうなったってAさんは同級生の俺になんて見向きもしないだろうし、違う教師に恋に落ちるのかも知れない。
それでも俺はきっと彼女に恋をする。
二つ結びで制服を着崩さずにきっちりと着て、白のハイソックスをはく彼女に堂々と恋をするんだ。
「……なんてな」
叶うわけのない下らない妄想は余計に虚しくなるだけなのに。
大人になると失恋から立ち直るのにも時間が掛かるなんて誰も教えてくれなかった。
悔しいな。
きっと彼女は俺のことなんてすぐに忘れてしまうのに。
女々しい俺は、君にとって俺が良い思い出になってほしいなんて未練がましく思ってしまうよ。
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ふじ - もう面白いです!続き待ってます! (2020年11月14日 0時) (レス) id: 68c088e357 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - こうちゃーーん!可愛すぎるしカッコよすぎる。続きが楽しみです!更新頑張ってくださぁぁい! (2020年11月9日 6時) (レス) id: f413f36fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチフラペチーノ - あぁーこのカンジのお話好き!応援してます!頑張ってください! (2020年11月6日 15時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももりん | 作成日時:2020年10月30日 6時