He ページ3
「もうこんな時間か……」
放課後といえる時間はゆうに超えて外はもう暗くなっている。
教師という仕事が多忙であることは知っていたけれど、きちんと生徒に向き合おうとすれば本当にきりがない。
ふとあの日のことを思い出す。
優等生の彼女の0点事件。
ずっと成績トップで授業態度も問題はなく、部活でも活躍していた彼女はあっさりと難関大学に受かって卒業していった。
あの時、もう少し話を聞いてあげればよかったと後悔している。
わざわざあんな行動に出たのは何か理由があるはずで、なのに俺は向き合おうとしなかった。
単純にキャパオーバーだったのだ。
どうしたって所謂問題児だとか劣等生だとかに割く時間のほうが多くなって、良い子の優等生には手をかけてあげる暇はない。
そんな子達にもそれなりに悩みはあるはずだけれど、自分たちで解決してくれてしまうから。
今、彼女は元気でやっているのだろうか。
あの頃と変わらずに優等生でいるのだろうか。
時々思い出しては胸がぎゅっと痛む。
彼女はもう俺のことなんて覚えていないかもしれないのに。
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ふじ - もう面白いです!続き待ってます! (2020年11月14日 0時) (レス) id: 68c088e357 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - こうちゃーーん!可愛すぎるしカッコよすぎる。続きが楽しみです!更新頑張ってくださぁぁい! (2020年11月9日 6時) (レス) id: f413f36fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチフラペチーノ - あぁーこのカンジのお話好き!応援してます!頑張ってください! (2020年11月6日 15時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももりん | 作成日時:2020年10月30日 6時