you ページ14
「ああっ、もう!」
鏡の前で合わせたピンクベージュのニットワンピースをベッドに投げ捨てた。
もうかれこれ一時間は鏡の前でああでもない、こうでもないとコーディネイトに頭を悩ませている。
クローゼットの中の服を全て引っ張り出してみても全然決まらない。
ふぅ、とため息をついてスマホを手にして今朝先生から来たLINEを見た。
『急なんだけど今晩食事でもどう?難しいなら、マフラーを返すだけでも』
「先生ずるい……こんな急に誘ってくるなんて」
ベッドにダイブして枕に顔を押し付ける。
自分が蒔いた種だけど、嬉しさと緊張と戸惑いと。
渡辺先生の顔を思い出しながら、先生はどんな女性が好きなんだろうと考える。
可愛いらしい感じ?大人っぽい感じ?
もちろんそんな話はしたことがないし、思い返したって授業中の雑談でそういった話題は出たことがない。
ため息をもう一つ。
今度は深くて長いため息。
もしかしたら今夜が最初で最後の機会になってしまうかもしれない。
私達は友人ですらないし、多分これからも友達になんてなれないから。
「……言っちゃおうかな」
あの日言えなかった“好き”という言葉。
今更だけど、先生はちゃんと受け取ってくれるかな。
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ふじ - もう面白いです!続き待ってます! (2020年11月14日 0時) (レス) id: 68c088e357 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - こうちゃーーん!可愛すぎるしカッコよすぎる。続きが楽しみです!更新頑張ってくださぁぁい! (2020年11月9日 6時) (レス) id: f413f36fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチフラペチーノ - あぁーこのカンジのお話好き!応援してます!頑張ってください! (2020年11月6日 15時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももりん | 作成日時:2020年10月30日 6時