主(女)が、おじさんたちとﾜﾁｬﾜﾁｬするだけ。

正直、不思議 ページ25

『ん…ぅん…』

ﾓｿﾞﾓｿﾞ…

『…あれ…？…あぁ、私、寝てたのか…』

昨日は、深夜までやってた仕事に疲れて、デスクに突っ伏してそのまま寝てしまったようだ。

『？…この背広…私のじゃない…男物、？』

紺色っぽい、大きな背広が、私の肩にかかっていた。

多分、ガタイがよく身長が高い人だと思う。

…誰が？なんで私に？

『うーん…心当たりがない…』ｶｻｯ…

何かカサカサしたものが手に当たる。

『？』

淡い赤色のメモ用紙だ。

裏を見てみると、一角一角が丁寧な文字が並んでいた。

“お仕事、お疲れ様です。上着はそのまま椅子にでも掛けておいて下さい。”

え、背広がなくて寒くないのかな…？

最近は残暑が急に消えて、冷え込んできたばっかりなのに…

それに、しっかりお礼がしたい。

私の仕事が遅かっただけなのに、労ってくれる優しい人……

ｶﾗﾝｯ…

デスクの上には、カフェイン、お菓子の小袋、カフェイン…

『…まずは、片付けてからか…』

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今日の仕事を終えて、大きな優しい男性に借りた背広を椅子に掛ける。

『あ、』

今日１日誰も私のデスクにそれらしい人は近付かなかった。

恐らく、私が帰った後取りに来るはず。

『……そうだ、』

付箋にでもお礼を書いてはっておくか。

…ほんと、誰なんだろう？

そう考えながら、フロアから出る。

その時、男性とぶつかりそうになる。

『わっ、ごめんなさい！』

「あ！あぁ、こちらこそすみません。」

いい声の方だなぁ…

それにしても、こんな時間からフロアに…？

正直、心配だ…

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？？？side

そうだ、帰る前にスーツを回収しなければ…

『ごめんなさい！』

ぶつかりそうになったのは、昨日の寝てた女性だ…

？「！あぁ、こちらこそすみません…」

少し声が上ずってしまった…

バレてないことを祈りながらフロアに入る。

彼女の席には、綺麗に畳まれたスーツが置いてあった。

？「！」

“背広、ありがとうございました。直接お礼をしたいので、お名前を教えていただきたいです。”

？「名前か…」

名乗らないほうが良い、よな…？

少し淡い赤色の付箋を取り出す。

“名乗るほどの者でもありませんよ！それよりも、どうかゆっくり休んでください。”

そう書いて、デスクの端に置いておく。

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今回もご覧いただきありがとうございました。
主人公は笠見マコトちゃんです。

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