甘くて、苦くて、甘い。【u.s.s.s.】

不機嫌 ページ33

「本当にすみません…」





「ええって！

俺も丁度アドバイスくれる人探しとったから」





休日。



彼氏がいるのに他の人とお出かけ。



なんてとんでもない表現しか出来ないのだが、これはお互いの彼氏彼女のためである。





「それにしても久しぶりやな？

同窓会以来？」





今日一緒に出かける相手は、高校の時の同級生。



そして私の友達の彼氏。





「うん。

あの子にはなんて言って来たの？

口には出さないけど、独占欲強いよ？

まあ、志麻のほうが強いだろうけど」





「ん？

まんまAと出かけるって言ってきた」





「馬鹿なの？」





「そういうお前は？」





「友達と出かけるって言った」





すると顔をしかめる志麻。



どうした？



まずかったか？





「それ、もしセンラに見られたらどうするん？」





「え？

大丈夫よ。

センラくんあんまりやきもちとか妬いてくれないから」





「そーか？」





何故か不服そうな表情を浮かべる志麻。



こいつを一日借りる予定の私が言うのもなんだが、あの子可哀想…。



私がセンラに他の女と出かけるなんて言われたらショックで立ち直れないかも。





「そんで？

Aは何買うんやっけ？」





「腕時計。

志麻はアクセサリーでしょ？

具体的には？」





「…」





ノープランかよ。



今日はお互いにホワイトデーのプレゼントを買いに来た。



私はセンラがこの前腕時計を壊して不便そうにしていたのでこれを選んだ。



喜んでくれるといいな…。

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