甘くて、苦くて、甘い。【u.s.s.s.】

見てて ページ28

『特別になりたい』

after story





「おはようー」





朝。



教室のドアを開け、挨拶しながら入ってきたのは浦田くん。



そしてその後ろで眠そうにあくびをする坂田くん。





「あ、浦田と坂田おはよう」





友達が挨拶をすると、浦田くんも坂田くんも軽く挨拶を返す。



ところが私は、





「お、はよ…」





ああああああ！！



今日もやってしまった！





「A…。

また？」





「だって…」





私はあの出来事以来、坂田くんとまともに話すことができなくなったのだ。



あの出来事は誰にも相談できず仕舞い。



友達には喧嘩をしたのだと思われているよう。





「早いところ仲直りしなよ？

坂田、結構辛そうな顔してたよ？」





「え、辛そう？」





え、避けられてると思われている？



あながち間違いではないけど…。



私はただ、前みたいに話せないのが嫌なだけ。



どうしても赤く染まる顔を見られたくないだけ。





「なんか泣きそうって感じ」





「え"」





それは…。



私の所為ってことだよね…。



私が坂田くんを悲しませてるっていうのは…、すごく嫌だな。



胸がズキズキと痛む。



坂田くんは多分私のことが好き…っていう事。



それはとても嬉しいことだけど、私は自分自身が坂田くんをどう思っているのかがわからない。



だからまだ、私は坂田くんと真正面で向き合うことができないんだ。

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