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着いたのは、あの時と同じ空き教室。



教室に入ると、渉くんは私と向かい合うように振り返った。





「それで…、俺に用って?」





「あ、あのね…。

バレンタインのお返しを渡したくって。

これ、よかったら」





「ありがとう」




渉くんに手渡す。



けど、恥ずかしくてずっと俯いてる。





「そ、それでね…。

あのカード。

『義理じゃないから』って書いてあったじゃない?

あれってどういう…」





少しの沈黙が、とても長いものに感じた。



そして、渉くんの表情がわからない。





「そのままだよ…。

その、本命」





「え…」





顔をあげると、耳まで真っ赤な渉くん。



少し目線をずらし、気まずそうにしている。





「本命って…。

じゃあ」





「俺、Aが好き。

中学の頃から。

だからAがバレンタインの時、男子にチョコを貰ってるって聞いてすごく焦った。

俺ってよく無愛想って言われるし、すぐに嫉妬とかしそうだけど。

A、俺と付き合ってくれませんか?」





同じ気持ち?



中学の頃から?



そんなの嬉しくないわけなくて…。





「渉くん。

私ってすごくどんくさいよ。

そんな私でもいいの?」





私の声は震えていた。



涙を抑えているから。



そんな私を見て、渉くんはくすりと笑う。





「そんなAが好きなんだよ。

で、返事は?」





「もちろん…!

私も好き。

ずっと、中学の頃から」





「ありがとう」





今日一番の笑顔でそう言う渉くん。



その表情にときめいてしまう。





「それじゃあ」





チュッ





「ちょっ!?」





いきなり奪われたファーストキス。



まって?



こんなこと普通にできちゃうの?





「ふっ、かーわい」





「わ、渉くん!?」





ちょっと、私これから心臓もたないかも。



ずっとドキドキしてしまう。





「うう…。

渉くんの意地悪…」





「ごめん、つい。

好きだよA」





「私も。

大好き、渉くん」

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カルビ☆(プロフ) - 神楽鈴さん» なるほどです。勉強になります。 (2020年4月7日 23時) (レス) id: f8641c6edc (このIDを非表示/違反報告)
神楽鈴(プロフ) - カルビ☆さん» ありがとうございます!コツと言えるかはわかりませんが、私は小説を投稿する際は大まかなあらすじをすべて決めています。この作品も始めはあまり多くの方には読んでいただけていなかったので、投稿を止めずにいればいつかは読んでくださる方が増えるかと思います。 (2020年4月7日 20時) (レス) id: 00307628ea (このIDを非表示/違反報告)
カルビ☆(プロフ) - 初コメです、読んでてニヤニヤしました、、!なにかコツはありますか?私も歌い手関連の小説を書いてるのですがたくさんの方に読んでもらえなくてですね、、 (2020年4月6日 18時) (レス) id: f8641c6edc (このIDを非表示/違反報告)
神楽鈴(プロフ) - みさきさん» ありがとうございます!嫉妬のお話は定番ですけど書いててとても楽しいので、そう言っていただけてとても嬉しいです! (2020年4月5日 20時) (レス) id: 00307628ea (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 初コメ失礼します(><)嫉妬とかやばいですね……萌えッ (2020年4月4日 17時) (レス) id: 9886b8cfe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽鈴 | 作成日時:2020年2月16日 0時

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