夭折 ページ19
気づけば日が昇っていた。
泥に塗れながらも、傷を負わず敵勢力を撃退できた。
生き残った……
っ、何人死んだ……？
周囲に倒れる敵と味方の死体の山。
その上には、あの子供が立っていた。
その日から、俺はその子供が気に掛かってよく声をかけた。
と言っても挨拶程度のもの。
自分でも何故だか分からない。
でも、そうした。
少年「お人好しな奴だな。……俺は、死地の先駆者なんて陳腐な異名で呼ばれてるが、死ぬつもりなんてさらさらないんだよ。」
ある日、少年は口を開いた。
少年「俺は、大切な人に置いて行かれてしまったんだ。俺とその人はあまりにも生きる世界が違うから、きっと…俺のために。」
寂しそうに懐かしそうに話した。
少年「俺は生きて帰る。死んでも帰る。」
その数刻後、敵が島に乗り込んで来て場はすぐに戦場とかした。
今回もたくさん死んでたくさん殺した。
死にたくない。故郷へ帰りたい。
そう思うごとに、俺は「殺してくれ」と叫んだ。
ダァアン！
爆発の光が俺を覆った。
あ……やっと死ねる。
少年「水木ッ！！」
- 水木、お前には死んでほしくないなんて、柄にもないこと思っちまったよ。約束しろ、皺くちゃの顔になるまで生きろ！-
初めてアイツの笑顔を見たのは、夢の中だった。
次に目を覚ましたのは野戦病院。
アイツは……その場所にはいなかった。
水木「っ……�� ��っ…」
続く
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