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水木「お前はここで待ってろ。」
ゲゲ郎を追って禁域に着くと、水木は俺に残るように言った。
その様子だと孝三の話を聞いたのか、禁域の危険さは理解してるみたいだ。
それを知ってもゲゲ郎を追うなんて、お人好しだなこの人……
俺は無意識に顔が緩んだ。
『えー、嫌ですよ。置いてかないでください。』
水木「お前なんだか図々しくなったな……。」
きっとだらしない笑みが溢れてる。
俺は水木の袖を引っ張って連れて行くように強請った。
水木「……勝手にどこかへ行くなよ。」
『チョロいなぁ(はい！)』
水木「本音と建前が逆だぞ。」
……。
『ちょっ"待ってください…….！』
水木「やっぱりダメだっ"……！」
『こんな不気味なところに一人置いて行く気ですか…！」
水木「そこに使用人がいるだろ！」
『あーー、そんな殺生なぁ。』
結局水木一人で禁域に行ってしまった。
俺と使用人の二人舟に取り残される。
俺はぶすくれながらまた番傘を開いた。
中棒を肩に掛けて、湖で泳いでいる魚を何となく眺める。
水木一人では禁域は危険すぎる。
止めるべきだったな。
ねずみ「ったく。自分から禁域に入りたいなんて、命知らずと言われても文句言えませんよ、独�麕靴舛磴鵝�」
出っ歯の使用人は呆れた口調で俺に言った。
『なら、命よりも大事なもののためなら誰も文句言わないね。』
ねずみ「え……」
俺の言葉に戸惑って、使用人は持っていた櫂を落とした。
そんなに驚くか？
『冗談だよ。それより、何で島から離れてるの？』
俺は笑いかけながら、禁域から離れていることを指摘した。
使用人が声をかけてきた時には、もう舟は禁域から離れていた。
コイツ逃げる気か…
ねずみ「あー、あっ、あぁ！そんなことより独�麕靴舛磴鵑呂匹海�で俺とお会いしたことが？」
『え、お前最近きた使用人なんだよね？ならないよ。』
ねずみ「あっれ、おっかしいなぁ……どっかで見たことある気がすんだけど。」
『……話を逸らすなよ。もういい、櫂を寄越してくれ！』
ねずみ「あ、ちょっと！こんな狭い舟で暴れないで！」
櫂の取り合いで舟の周りの水が激しく波打つ。
舟も体勢が取りづらくて、なかなか思うように体が動かない。
カランッ、コロンッ！
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