全く知らない小説&アニメ世界の中に引き摺り込まれた【魔道祖師】 (ページ9)

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水行淵　５ページ9

そして途端に当たりが静まり返った。

しかし一難去ってまた一難、
すぐさま湖が永雪(ヨンシェ)たちに牙を剥く。

円を描くようにして水の流れは勢いを増し、今にでも舟をひっくり返そうとしていた。

「まずい、水行淵だ！」

『(え？なにその強そうな名前…)』

永雪(ヨンシェ)は咄嗟にそう思うしかなかった。
何故なら彼はパニクっているからだ。

だってもう数人の仙師が流されたのを見てしまった。

「永雪(ヨンシェ)！こちらへ！」

この状況に若干引き気味の永雪(ヨンシェ)を呼んだのは、頼れるお兄ちゃんな藍曦臣(ランシーチェン)だった。

相変わらずの美貌っぷりで、永雪(ヨンシェ)に手を伸ばしてくるように訴えかけている。

『(クソッ、イケメンめ！かっこいいな！！)若様！』

永雪(ヨンシェ)は安全確保のため、藍曦臣(ランシーチェン)の手を掴もうと腕を伸ばした。

その時だった。
「腕でももぎ取ってやろうか」という凄まじい速さで水行淵が迫ってきたのだ。

「永雪(ヨンシェ)！」

水行淵にも考える頭はあるのか、一番狙いやすい永雪(ヨンシェ)の方を標的にした。

永雪(ヨンシェ)はその攻撃をくるりとかわし、黒い髪の毛のような物の上に乗って攻撃を避け続けた。
その動きは軽快で、体の重みなど感じさせないほどふわふわとしていてまるで踊っているように見えた。

「永雪(ヨンシェ)！！」

御剣した藍曦臣(ランシーチェン)が再度彼に手を差し出す。
それを見た永雪(ヨンシェ)は、わざと足場にした水行淵から足を離し自由落下する。

水行淵はそれを狙う。落下中の永雪(ヨンシェ)に鞭のような攻撃をしてきたのだ。

『(……鞭型の攻撃来ますか。そんじゃ動きはアレですね。

某有名アニメ呪術ﾋﾟｰ戦の虎杖ﾋﾟｰくんが四階くらいの高さの窓へひとっ飛びして呪霊をぶん殴った時の回転！！)』

そうして格好良くしたい永雪(ヨンシェ)は、鞭の攻撃をするりと避けると同時に回転し、背後は通過した水行淵を鷲掴みにして攻撃の延長戦上にいるのところまで吹っ飛んだ。

意図的に、あくまで意図的に…

「っと、しっかり掴まっていなさい。」

『はい。』

藍曦臣(ランシーチェン)は永雪(ヨンシェ)を軽々と受け止めて、腰に手を回して水行淵から距離を取った。