おい、主人公… ページ1
「おい!
さっき仕事帰りに通った街の連中が噂してたんだ!」
1人の中年の男が驚きを隠さずに、寂れた村の酒場に駆け込んできた。
そして、その男の話を聞いた途端酒場はさっきとは比べ物にはならないほど騒がしさが増した。
「はぁ……
話の内容は邪道を進んだ悪き人間、"夷陵老祖
しみじみと世は無常だと酒を煽っていた男がうとうととしながら呟いた。
『(
え?アイツ死んだの???)』
そしてなぜ話の展開がこんな寂れた酒場なのか…
それはここには今回の小説の主人公である
今の
何事も情報を主人公に届けなくては…
はと言うと、少しいやだいぶ焦った顔をして俯いた。
酒の入った盃をプルプルと振るわせる。
『(え?し、死んだんですか?マジですか?いやいやいや嘘だろ、だってそうじゃなきゃこの物語1ミリたりとも進みませんけど!!?)
……俺まだ何もしてないんだけどなぁ。これじゃあ日本帰れないって…。』
俯き、右の掌を眺める。
『何かしたと言ったら、本当に大したことはしていない。彼らの運命の行く末の結果はきっと何も変わらないだろうな。
苦しんで、決別して、すれ違って、思い合って、虚勢を張って、傷つくことになんの変貌もない。
何かしたと言ったら、
はぁ、だめだ。なんで俺が喪失感を味わってんだか…死にかけてたのはメインキャラだろうが。
はぁ、おっさん勘定頼めるか?』
『……ちょい飲みすぎたかな……。
にしても、まさかもうここで主人公様が死亡するなんてな。』
そう呟くと、突然の睡魔が襲いかかってくる。
重い瞼をそっと閉じたときに見えたのは追憶か…
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