八章 ページ8
「否ぁ幽霊って凄いねぇ!人を倒す事もできるのか!ちょんっと触っただけでおばさん吹っ飛んじゃったもんね!もう一度見たいなぁ、きっと世の中の怪奇現象は君みたいな幽霊によって起きるんだろうね!」
ペラペラと喋り続ける乱歩さんに、土下座するから黙って欲しいと思った。
絶対に触れないと思って、駄目元で手を伸ばしたら、真逆の触れちゃった事実。
しかも凄い風圧で、相手を吹き飛ばしちゃったし。
警察に麗さんを預けた後、2人で帰路に着いていた。
夕焼けに照らされた道で、私はふと乱歩さんに向き直る。
「乱歩さん、私ー生きてた頃、ヒーローに憧れていたんです」
乱歩さんがこちらを見る。
その視線を受けて、ゆっくりと微笑んだ。
「私は弱くて……それでいてドジで、道路に飛び出して車に轢かれちゃうような役立たずだけど……。弱いからこそ、誰かを守りたいと思った。死んだらそれが叶うと思った」
「死んだら生きてる人達に相手にされなくなるのに?」
乱歩さんの問いかけにも、動じずに返事をする事ができた。
まるでー自分じゃないみたいだった。
「人はみんな、光がないと生きていけない。私がそうだったから」
「はっはっはー‼君、何も考えてない馬鹿な幽霊かと思ってたけど、違ったんだね!光がないと生きていけない……全くその通りだよ!」
ぽんぽんと肩を叩かれ、緊張がほぐれる。
「夏君。それで、今夜はどこで寝るんだい?」
意味ありげな問いかけに、私はすぐに答える。
「それは、もちろんー」
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茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時