【10】初動 ページ10
結局、木葉くんたちと合流し、特になにもなく、デ◯ズニーに入園してしまった。
ニッコニコで、先頭を歩く木兎。
皆と雑談しつつ、人の流れに沿って歩いていたら、いきなり木兎に手首を掴まれて、人の流れを横に走り始めた。
『え！？なにしてんの！？』
「いーからついてこい！」
『皆はどうすんの！』
「あいつらは別んとこっつってた！！」
着いたのはお土産屋。
全く、別のところなんて会話をいつしていたんだか。
木兎に手を引かれるがままに歩いていると、
いきなり目を瞑るように言われた。
『な、なんで？』
「いいから！」
目を瞑れば、暫く歩かれて、立ち止まった。
目を瞑った状態のまま、動くなと言われる。
瞬間、耳を付けられたのが分かった。
「目ぇ開けていいぜ！」
『…えっ、可愛い、◯ニーだ』
「んな、Aに似合ってる。可愛い」
『…ね、本当。この耳めちゃくちゃ可愛い』
「ん？違う違う、可愛いのはAだろ？」
鏡越しに、自分の顔が赤くなるのが見える。
…よくよく考えれば、木兎と2人なんだよな。
周りからすれば、カップルに見えるのかな。
少し恥ずかしくなって、若干俯けば、木兎が恐る恐る声を出した。
「…なぁA」
『…なぁに？』
「俺とさ、…お揃いは嫌？」
『えっ？』
「Aがミ◯ーにするなら、俺ミ◯キーにしたい。嫌…？」
………かっ
可愛いんですけど
木兎ってカッコ可愛いの？最強じゃん、なにそれ。
私は必死にぶんぶんと首を振った。
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作者名：莉子 | 作成日時：2024年1月4日 1時
