【7】付き合った訳 ページ7
翌日。
起きれないかもしれない、という心配は杞憂に終わった。
アラームが鳴る前に、大音量で電話が掛かってきたのだ。
めちゃくちゃびっくりして跳ね起き、掛かってきた相手も見ずに電話に出た。
「起きてっか、A!!!!」
キィィィィン
耳鳴りがして、寝ぼけ眼で目を擦りつつ、電話を耳から遠ざけた。
布団の中でもぞもぞしつつ、恐る恐る電話を耳に近付けた。
開かない目を擦りながら、出ない声を絞り出した。
『…ん』
「…あれっ?おい、Aー??」
『聞こえてる、起きてる。木兎、近所迷惑』
「おう!そりゃ良かった!!」
『雪絵とかおりは?』
「ん?昨日言わなかったっけ?あいつら来ねぇよ!」
『えぇ!?なんで!!』
マネ3人、という括りで呼ばれただろうに、何故か来ないという2人。
てっきり来るもんだと思ってて、びっくりして大声が出た。
「誘おうとしたら、二人とも別々に用事入ってたから!」
『早く言ってよ……』
「…だってあいつら来ないとAも来なさそうじゃんか」
『いや別に、そんなことはないけど』
「そうか?まいいわ」
『え、これ何の電話?』
「あかーしがどうせAは起きないから起こしてあげてくださいって。
モーニングコール?とかいうやつ!
あと一緒に行きたいなーって!!」
『それ前日に話すやつね。…はぁ、舞浜何時着の電車に乗るの?』
「俺はねー、」
木兎がご機嫌に話しだす。
ちょうどいい、とむっくり起きた私は、
電話を耳にしながら、準備を始めた。
…まぁ言うまでもなく、私は木兎のことが好きだったわけで。
京治が入るつもり、という学校に入り、バレー部に行く予定だと聞いた私は、マネとして知り合いゼロの部活に入ったのである。
【バレー部だよな?名前なんての?】
そう言って、1人で体育館あたりをキョロキョロしてた私に話し掛けてきた木兎。
1年の夏頃に気付けば、木兎が好きになっていた。
……まぁ、好きな人から部活であろうとディズニ◯に誘われ、
モーニングコールされ、一緒に行こうと誘われると、
言うまでもなく朝から心臓がバクバクだった。
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時