【6】付き合った訳 ページ6
「あれ、Aいるじゃん!失礼しやーす!」
失礼するな木兎!止めて京治!!
そんな私の熱望は虚しく、A!!と肩を叩かれた。
しょうがなく、ムクっと起きた私は、木兎の顔を認識して、木兎の腕を掴んだ。
「うぉ!なんだ、寝起きだから機嫌悪いのか!?」
『違う、ちょっとこっち来て』
私は手を引いて、廊下に出た。
礼奈に睨まれてるのはよく分かったが、そんな事を気にする暇はなかった。
木兎を連れて廊下に出て、後ろ手で教室のドアを締めると、木兎はなんだよー!と大声を上げた。
『なんで来たの木兎!』
「木葉辺りと明日のオフ、出掛ける予定だったんだよ。
Aも誘おうって話になって誘いに来た!」
『今日の部活の時じゃ駄目だったの?』
「だって、タイミング合わないで先に帰られたら困るだろ!」
『そうだけどさぁ…』
溜息をついて、その場でしゃがみ込んだ私。
京治がごめん、と呟いたのが聞こえた。
『京治が謝ることじゃないよ、』
「そうだぞ!」
『木兎が言うことでもないよ、笑』
そうかー?と謎のテンションで話し続けられ、睡魔と板挟みにされた私は、ゲンナリとしてもう一度溜息をついた。
「疲れてんのか?A」
『まぁね…。……ちなみに明日、どこ行くの?』
「お!よく聞いてくれた!なんと…!」
「ディズ◯ーだよ、A姉さん」
「おいあかーし、言うなよ!!」
『デ◯ズニー!?チケットどうすんの!!』
「Aは俺らの奢り!!」
『奢りぃ!?』
これは断れない案件だ。
1人8000円はするチケット。
皆、自分の分を買ってるのにプラスで私のを払ってくれてるなんて、絶対行くしか無い。
とりあえず立ち上がって、ドアの横にもたれかかった。
「お、立った」
『立ったって、偶像じゃあるまいし』
「来るか?」
『うん、行く』
「おぉー!!よっしゃ!あかーし聞いたか!!」
「聞きました聞きました。
……でもA姉さん、朝大丈夫?」
『…朝?まさか早朝ディ◯ニー?』
「おう!舞浜に7時半集合!!」
『…はぁぁぁあ!?』
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時