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【46】初戦終わり ページ47

そのまま第2体育館に飛び込めば、



梟谷のコートに、人が密集していた。



私が戸口に立ったのに気付いたサルが、



おい宇佐埜通せ、と言ってくれる。



開いた道を走って、人をかき分ければ、ぱったりと倒れ込んで、



真っ白な顔で肩で息をする光太郎がいた。



慌ててその場にしゃがんで、光太郎の背中をさすりながら、



必死に声を掛ける。








『光太郎、聞こえる?』








無言で頷かれ、背中をさすり続ければ、けほけほと咳をし出した。








『光太郎、どっか打った?』



「…うってない、」



『じゃあ気持ち悪い?吐きそう?』



「……わかんない」



『今日ずっと具合悪かった?もしかして』








そう聞けば、無言で躊躇いつつ頷かれた。



分かった分かった、と言って、背中を擦る。



少ししんどそうに息をする光太郎に、立てる?と聞く。



めちゃくちゃ微かに頷いて、立ち上がろうとする光太郎に、



思わず周りが道を開ける。



光太郎の腰を片腕で抱いて、



光太郎の震える手が私の肩に回ったのを確認して、



そのままゆっくり立ち上がらせた。



そのままコート外に出て、ゆっくり横たわらせる。



横向きに力なく寝転んだ光太郎の背中を擦って、



うちわで扇ぎ続けた。



そのまま、近くでモタモタする翔陽くん(多分)に、



水筒頂戴、という。



アセったようにはい!!と言って、



5秒で戻ってきた翔陽くん(多分)。



ありがとう、と言って受け取って、飲める?と聞けば、



力なく首を振られた。








『飲まないと死んじゃうよ、



少しでいいから飲んで、』








起き上がろうとする光太郎の体を支えて、



水筒を手渡す。



一口飲んで、咳き込んだ光太郎のおでこに手を当てれば、



尋常じゃないレベルの熱だった。



…でも、生憎症状的に熱中症は無さそうだった。



壁にもたれかかった光太郎に、大丈夫?と聞けば、



死にそうな顔をした光太郎に頷かれた。

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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時

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