【41】面倒臭い ページ41
『ゲッ』
「ゲッてなに、ゲッて。
ねぇ宇佐埜Aちゃん、この俺になんてことをい」
『…岩泉、回収』
「はい、すみません宇佐埜さん」
結局話を聞いてもらい、
Aが嫌になったら別れちゃうんだよ?、
と念押しされ。
午後3時、私は新幹線を経て、青葉城西高校に降り立った。
校舎に入って一番最初にあった青城メンツ。
絞め殺そうかあいつ。
及川徹、…別に接点はない。
親同士が仲が良い、というわけで昔、
わざわざ飛雄の試合を見に行ったときに、
トイレに出てきた及川徹にナンパされただけだ。
面倒臭、と岩泉くんに回収をさせて、
梟谷の控え室に向かう。
失礼します、と開ければ、ご機嫌の光太郎と、
アップをする皆が、こっちを向いた。
『ごめんね、遅くなった。雪絵とかおりどこいる?』
「姉さんの荷物はそこに。
マネはさっき、体育館に先に集められてたよ」
『ありがと京治。皆頑張ってね〜』
そのまま梟谷のパーカーを羽織って、体育館に出た。
すると、金髪のオールバックの見たことないおにーさんと、
堅実そうなメガネさん、
なんだかんだ毎月見ている猫又監督、
我らが闇路監督、青城の入畑監督がいた。
それから、恐らくマネ陣の、
雪絵、かおり、メガネ美人さん、目をキラキラさせた女の子、
計9人がいらっしゃった。
『すみません、遅れました』
少し声を張って言うと、全員がこっちを見た。
すると、猫又監督から、よろしく、と言われた。
『今回も音駒担当させて頂きます。
よろしくお願いします』
「こちらこそ」
そう言って頭を下げれば、猫又監督も頭を下げられた。
いつものことだ。
今回は、雪絵が梟谷を、かおりが青葉城西を担当するらしい。
…青葉城西はそれなりに強かったはず。
加えて大変不服ではあるが、及川徹はモテる。
…なんでマネいないんだろう。
首をひねりながらも、猫又監督と音駒の控え室に向かった。
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時