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【34】駄目でした ページ34

『どうしたの』



「…怖い」



『…部活?』



「わ、分からない」



『私も京治もいるでしょ。



大丈夫大丈夫』









そう言って、泣き止む気配のなさそうな光太郎を、



抱き締めてつつさすり続けた。



そのうち落ち着いたのか、私と手を繋いだまま、



横並びに座って黙った光太郎。



ニギニギとされた手を握り返せば、ごめん、と言われた。









『なんで謝るの?』



「…とんだ迷惑野郎じゃない?



夜中に呼び出すなんて」



『大丈夫だよ、私は迷惑じゃない』









……言ってしまった。



迷惑じゃないと。



この一言が引き金になったのなんて、



言った瞬間、自分でよく分かった。



背中を撫でられ続ける光太郎が、体育座りして、



膝の中に顔を埋めた。



まぁもちろん、この引き金がこれから起こる、



全ての発端なんてことは、あからさまだった。

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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時

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