検索窓
今日:24 hit、昨日:325 hit、合計:105,723 hit

【32】駄目でした ページ32

…今日は、平気だったな。



光太郎の逆鱗が何処かわからない。



泣かなかったり、拗ねなかった今日のほうが珍しい。



1度泣くか拗ねると大分面倒くさい。



クロくん達に感謝だな。



明日も部活だ、とマネ着を用意して、幸せに包まれる布団に潜った。



…明日は早く起きよう、オフを挟むと起きるのが億劫になりがちだ。



この時に、そう思って耳元に携帯をおいて寝たのが間違いだった。



爆音で目が覚めた私は、徐々に意識がはっきりするとともに、違和感を覚えた。



寝た気がしない、疲れが取れてない。



…加えて、アラーム、こんな音だっけ。



…ううん、違う、これは電話の呼び出し音だ。



そう思った瞬間、目が一瞬で冴えた。



時間、3時。



誰から、こんな時間に、そう慌てて携帯を寝っ転がったまま目の前に持ってきた。



【光太郎】



…駄目でした。



今日も、泣くか拗ねるかしてるな。



クロくん達でも駄目だったか。



…いや、日付は越してる。



じゃあ昨日はセーフか。



…違うそうじゃない、早く出ないと。



___ピッ。









『…もしもし、光太郎?』



「…A」



『どうしたの、こんな夜中に』



「…来て」



『…来て!?こんな時間に?』



「……お願い、A、」









私の名前を呼んで、そのまま電話の奥で泣き崩れた光太郎。



しゃくりあげて、嗚咽が聞こえてくる。



一回発作みたくなって、過呼吸になったのを思い出す。



私は冷静じゃないと、そう自分に呪いをかけて、光太郎?、と名前を呼んだ。

【33】駄目でした→←【31】向いてない休日



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (110 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
330人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。