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【31】向いてない休日 ページ31

「「すみませんでした」」






怒る私と孤爪くんの前で、



身長に釣り合わないほど小さくなる主将二人。



ギャアギャア言い合いながらカフェに入ってきて、



その時点でお会計に向かった孤爪くんと、



主将二人の首根っこを掴んだ私。



そのまま、吹きさらしのデッキに出て、土下座させてたところだった。



お会計を終えて出てきてくれた孤爪くんにありがと、



というと、そっと微笑まれた。



可愛いな。



…じゃなくて。








『あんな大声で騒いだら、迷惑ですよね?』



「はい」



「はいすみません」



『あなた達、今制服です。



学校に通報されたら、最悪の場合部活動停止です』



「…はい」



「はい」



『責任取れますか』



「…トレマセン」



「トレマセン」



『仮にも主将ならしっかりしてください』



「「…ハイ」」



「…常識くらいわきまえて」



「ハイ」



「ハイ」







そのまま私は、クロくんの前にヤンキー座りをした。



おっ、ラッキースケベ、と言ったクロくんの頭を、



横からすっ叩いた光太郎をさておき、私は携帯の画面を見せた。






『これ、クロくんだよね?』



「…えっ」



『光太郎は大好きは直接言う!って言って、



絶対LINEでは言ってこない。



…改めて聞くけど、これ、クロくんだよね?』



「…ハイ」



『人の携帯触っちゃいけませんって知らない?』



「…ぼっくんが良いって言いました」



『うん、分かってるけど駄目なものは駄目です。



次やったら音駒のマネ、合宿で代行やりませんから』



「…すみませんでした」






そのまま立ち上がって、私は孤爪くんにごめんね、と言った。



こちらこそ、と頭を下げた孤爪くんが、苦笑いした。



…大丈夫か、東京の強豪の主将がこんなんで。



孤爪くんにカフェ代を返そうとしたら、



クロのお詫びだから取っておいて、



と超イケメンな答えが帰ってきた。



ありがたや。



クロくんと、孤爪くんに手を振る。



光太郎も少し小さくなって、手を振っていた。

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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時

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