【29】向いてない休日 ページ29
「ん?どうした?A」
『いやぁ…、我ながら良く蛙化しないなーと』
「なにそれ、A蛙になんの?」
『…うんそんな感じ』
もう駄目だ。
そう思えば、アレ、と後ろから声がした。
ありゃー、こりゃ厄介なのに鉢合わせたな、と、
私と全く同じ顔をしたプリン頭に曖昧に微笑む。
すると曖昧に笑い返された。
…うん分かるよ、孤爪くん。
お互い相当面倒臭いのを引き連れてるもんね。
「あれ!クロじゃねーか!!」
「よう木兎、デートか?やってんなーお前」
『…孤爪くん、一緒に逃走しませんか』
「是非」
「ちょっ、ちょっと待ってよ、研磨クンなにいってんの。
宇佐埜ちゃん、そんなに俺ら嫌?」
『はい、主に光太郎が』
「えぇ!?Aひっでー!!」
「ウワァ可哀想(笑)。
キミ仮にも彼氏だよね?
なにしでかしたの木兎くん」
「え…?いやなにも…?…いや待て、
なにかやらかしてんのか?」
こうなるから嫌なのだ。
会話が形を成していない。
ぎゃいぎゃいやり合う一応、キャプテンたちを傍観していれば、
いきなりクロくんが吹き出して私の肩を組んだ。
『セクハラ確認孤爪くん110』
「了解」
「待って研磨、どっちの味方?」
「宇佐埜さん」
ヒデェェェといったクロくんと、
死にそうに嘲笑うカッコ、…よくないな、うん。
子どもな彼氏。
私は、孤爪くんにオススメのカフェあるんですけど、といった。
返ってきた答えはオフコースだった。
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時