【17】嬉々と危機 ページ17
あれ以来、結構ラブラブなカップルをやってきたつもりだ。
モーニングコールは未だに毎朝来るし、お陰で毎日一緒に学校に行っている。
下校デートもしたし、クリスマス当日にリベンジディズ◯ーもした。
木兎呼びとA呼びだったのが、光太郎とA呼びになった。
ことあるごとに、A好きだよ、と言われるようになった。
周りから似た者夫婦、と呼ばれるくらいには仲の良いカップルだった自信がある。
光太郎め、礼奈(覚えていらっしゃるだろうか、我がクラスの一軍ボスだ)に、
嬉々として付き合ったことを告げたがために、
私の仲良しグループは約一週間肩身の狭い思いをした。
「木兎くん、!昨日の応援行ったんだ!
私の声聞こえた…?」
「…?おう!多分な!」
「た、多分……、聞こえてたなら良かった、
昨日調子良かったよね!」
「あぁ、A見に来てたしな!」
「…A?」
「おう!…あれ、聞いてねぇ?
Aは俺の彼女だぜ!
Aにはカッコいいところ見せたいしな!」
あの現場にトイレから帰ってきた私の気まずさと言ったらない。
礼奈の視線がまぁ痛かった痛かった……。
…それはそうと、
比較的勉強好きな私(定期テスト学年順位3位内必然)が、
光太郎に勉強を教えていたあの日から、
微妙にではあるものの、徐々に何かが変わってきた。
変わったことを挙げろ、と言われたら、まず3つほど思い当たる。
1、光太郎がよく泣くようになったこと。
2、〇〇してほしい、等の要求が増えたこと。
3、スキンシップが増えたこと。
こう聞けば、ただ単純に光太郎が心を許してきた、とも取れる。
だが、そうじゃない。
そうじゃないんだ。
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年1月4日 1時