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【13】初動 ページ13
「まぁ楽しみに待っておきなよ」
『え、ゆ、雪っペ、その、』
「…なぁに、A、この期に及んでまだ、木兎が好きじゃないとか言い出すの？」
『い、いや、そうじゃなくて、
…その、好き、なんだろうけどさ、これが恋愛感情かが分からなくて、』
はぁー…、と雪っペの溜め息が聞こえてきて、若干わたわたする。
雪っペが、呆れたように、じゃあさ、と言った。
「赤葦とさ、私が付き合ってたら、どう思う？」
『赤葦って、京治のこと？
えぇ、めちゃくちゃ祝福する！
おわー、そこのカップリングは考えたことなかったわ…、
…え？マジ？』
「じゃあさ、私と木兎が付き合ってたらどうする？」
『え』
雪っペと木兎が付き合ってたら、か…。
そう思って、可愛らしいのに、仕事が早い雪っペと、次期キャプテンの木兎を頭に浮かべた。
……お似合い、だなぁ。
なんとも言えず、沈黙してしまう。
数秒後に、クスクスと笑う雪っペの声が聞こえてきた。
「大丈夫、ちゃんとあんたは木兎が好きだよ」
『…ほんと？』
「うん。
……あ、赤葦と付き合ってないからね、私」
『あぁなんだ、びっくりした笑』
私はちゃんと、木兎のことが好きらしい。
好きなのか、と呟くと雪っペがあぁーあ、と声を出した。
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作者名：莉子 | 作成日時：2024年1月4日 1時
