監督とお父さん2 ページ26
まさか、こんな身近な人が監督だったなんて。
ただただ衝撃的だった。
だが私は監督が発した次の言葉でさらに
大きい衝撃を受けることとなった。
「和宏がな、もしかしたら俺の娘はやらかすかもしれん、と。
もしかしたらお世話になるかもしれない、と。
そう言ってたんだよ」
そして、小さく笑った後
「それが現実になったみたいだな」
と、とても愉快そうに笑ったのだった。
お父さんは…私の行動を予測済みだったってことか。
親は侮れんな!!!
と、お父さんの洞察力(というか勘?)に驚きつつも、
内心とてつもなく感謝していた。
私が監督さんと何の繋がりもなかったとしたならば
きっとこの勝負は負けてた。
お父さんありがとう。
そして…
「祐一さん…いえ、監督!!
これからよろしくお願いします!!」
自分にできることはあまりないかもしれないけれど。
受け入れてもらったからには全力で
皆さんの力になりたい。
私が勢いよくお辞儀したのを確認した監督は
「ちょうど人手が欲しかったところだったんだ」
と嬉しそうに笑ってから
「皆んなに紹介するから付いてきて」
と歩き出した。
私は緊張で少し震える足に気づかないふりをして
監督の後ろをついていった。
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作者名:天然水。 | 作成日時:2019年10月22日 23時