君のことが好きすぎる！ (ページ22)

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一世一代の大勝負ページ22

怖い怖い怖い怖い。

後ろをチラリと振り返ると
それはそれはすごい形相で迫り来る
"石川祐希"。

なんかなんかなんか！
思ってた感じの人と全然違ううううう。

だってだってだって
有志くんは彼のこと、
ものすごく頼りになるし
お兄ちゃんみたいにしっかりしてる、
ってそう言ってた。

私は有志くんのこと、お兄ちゃんみたい
って思っとるから、そんな有志くんが
"お兄ちゃんみたい"って言うんやから
さぞかし落ち着いてて大人な男の人
なんかなって思ったら……

心の中で絶叫しながら
たまにチラリと後ろを振り返る。

だんだんと距離がなくなってきている。

「むりむりむりむりむり」
と何かの呪文のように口が勝手に動き出す。

そのくらい怖くて、もう
どうしたらいいかわからない。

そんな時、神様は私に救いの手を差し伸べてくれた。

そう！私の大好きな大好きな彼の姿が
見えたのだった。

彼は体育館に入る手前、まだ靴を履いたまま
おじさんと話し込んでいた。

彼の事情を考える余裕もなかった私は
「有志くん、助けてーーー！」
と必死に叫びながら、走ってきた勢いのまま
彼にぶつかっていった。

急に自分の名前を大声で呼ばれた彼は
とりあえず倒れないように
足を強く踏ん張って、私を受け止めてくれた。

彼の匂いに包まれて完全に安心した私は
さらにぎゅっと抱きついた。