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合宿前日2 ページ14

そう思うと急に体を動かしたくなって

「俺ちょっと走ってくるわ!」

ランニングに行くことにした。

「菅田!明日からもちゃんと頑張るんやで」

菅田が「はい!」と頷いたのを確認してから
俺は走り出した。



適当に街中をランニングしていると
あ、と思い出した。



確かこの辺だったような……

少し街の中心部から離れた所にある
淡い水色を基調とした可愛らしい
お店の前で、俺は足を止めた。


カランカランカラン

躊躇いなく茶色い可愛らしいドアを開けると
笑顔の君が「いらっしゃいませ」と
出迎えてくれた。

…と思ったら、その大きい瞳が
さらに大きく見開かれ

「え……有志くんん?!」

と俺の名前呼んで、
それから口をパクパクさせている。


かなりびっくりしてるみたい。

なんだかサプライズが成功したような
嬉しい気持ちになって、俺は思わず笑顔になる。



「ケーキ食べたくなってん」

ドアを開けた途端にふわっと香った
甘い香りにケーキが食べたくなったのは
本当のこと。

でも、ほんとのほんとは…


「ほんまはな、Aに会いたかったから」

明日からはしばらく会えなくなるから
今日はちゃんと君の顔を
脳裏に焼き付けておきたかった。


本当の気持ちを口にした俺に
君はふわりと笑って

「私も!有志くんが来てくれて
ものすごく嬉しい!」

と、俺が聞きたかった言葉を返してくれた。


ふわりと君が柔らかく笑えば心が落ち着く。
まっすぐな君の言葉で心が落ち着く。

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作者名:天然水。 | 作成日時:2019年10月22日 23時

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