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ろうそくの明かりのみで照らされた廊下を、ロノさんはなんの迷いもなく突き進む。
目的地は天使が出現した庭らしい。
やはり窓から見下ろしてみても庭には外灯なんてなく、慣れない場所を一人で歩いて怪我をするよりは、最初からロノさんに運んでいただけて正解だったかもしれない。
これから戦いに行くなんて微塵も感じさせないニコニコとした様子でロノさんは私に話しかける。
普段の人との距離よりもかなり顔が近く、胸の高鳴りが止まらない。
「主様はなにか好きな食べ物はありますか？」
『そう、ですね……。最近は食べないのですが、ほんのりと甘いものは好きですよ。先ほどのヨーグルトも本当に美味しかったです』
「そうですか、それは良かったです！ ……出会ったばかりでお答えしにくいかとは思いますが、普段の食事は何を食べていますか？」
ルカス先生と全く同じ質問を投げられる。
やはり、私のようなやつれた身なりになるには食生活がおかしいと思われるのだと実感しながらも、先ほどと同じ答えを伝えれば、ロノさんの表情が曇った。
「これからご迷惑でなければ、お食事は全てデビルズパレスでご用意してもよろしいですか？」
『私は嬉しいですが……ただ、いつここに戻ってこられるか分からないですし……食べられるものも少なくて、ご準備するのも大変ですよね？』
「お気遣いありがとうございます、主様。オレは主様がオレの料理を美味しく食べてくれれば、そんな苦労なんて吹っ飛びますよ。……というより、あちらの世界で倒れているかも、なんて心配しているよりはオレに任せていただけたほうが安心です！」
いつまでも不健康な生活をしていれば、こちらの世界とあちらの世界の二重生活に耐えられなくなっていつか倒れてしまうかもしれない。
こちらの世界に来られなくなれば、まずはロノさんが心配してくれるのか。
それならばロノさんの言うとおり、お任せしたほうが良いのかもしれない、と小さくペコリと頭を下げる。
『ロノさんがご迷惑と思わないのであれば、よろしくお願いいたします』
「えぇ、もちろん！ 迷惑だなんて思うわけないじゃないですか！ ……っと、この話はまたあとでしましょう。ほら……いやがりました。あいつが天使です」
そうロノさんが小声で囁いた先。
宙に浮いて白い翼を羽ばたかせていたのは、この世のものとは思えないほど端正な顔立ちをした美しく光り輝く天使だった。
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
