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『す、すみません、ですが、今までっ！ 今まで、異性の主様の場合も着替えを手伝っていらっしゃったのですか！？』
「えぇ、女性の執事がいるときは女性に任せていましたが、現在はいませんので⸺」
『わ、分かりましたっ！ 一人で着替えられないお洋服のときはフルーレさんのお手をお借りしますが、今回のワンピースは一人で着替えられますっ！』
「ですが⸺」
『大丈夫、大丈夫ですので！ お願いします、フルーレさんも部屋から出てください！ 着替えが終わりましたらすぐにお声掛けいたしますから！』
無理やりフルーレさんの背中を押して部屋から追い出す。
本気で私が嫌がっていることに気がついていたのか、抵抗はなかった。
心配そうに眉を下げていらっしゃったけれど。
一人になった部屋でよたよたとソファに戻り、ゆるゆると座り込む。
『つ、疲れました……』
どっと疲れて今なら一眠りできそうだけれど、休む暇なんてない。
いつまでも着替え終わらないと、フルーレさんが心配して部屋に戻ってきてしまう。
のろのろとナックさんから借りた上着はソファの背にかけ、ネグリジェをゆっくりと脱ぎ、ワンピースを頭からかぶった。
シルエットはあまり変わりないけれど、寝間着ではないから人前に出ても問題はない。
けれども、ソファから立ち上がり、自分の格好を見下ろすと、これはこれで問題なのでは？ と困り果てた。
ワンピースの裾は膝下あたりでちょうど良いし、袖の長さも手首ちょうどの長さでどこか丈が短いというわけではない。
だけど、全体的にダボついていて、布が余っている。
上にカーディガンも羽織ってみたけれど、そのカーディガンも大きいものだから服に着られているという印象からは変わらない。
はっきり言うとみっともない。
扉から頭だけを出して廊下を覗くと、扉のすぐそばでフルーレさんは待っていた。
『すみません、フルーレさん』
「どうでしたか、主様？」
『……長さは大丈夫なのですが、私には大きくて……。お直ししていただく必要がありそうです、ごめんなさい』
「どうして主様が謝るんですか？ 主様はなにも悪いことなんてしていないですよね？」
『私が、前の主様たちよりもやつれていて……フルーレさんのお仕事を増やしてしまったようで⸺』
「そんなこと言わないでください、主様！ 俺は“仕事を増やされた”なんて思っていませんから！ む、むしろ主様に素敵なお洋服をたくさん作れそうでワクワクしているぐらいです！」
『……本当ですか？』
「俺は嘘なんてつきませんよ！」
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
