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フルーレさんに手を引かれて「どうぞお好きなお洋服をお選びください！」と洋服の山の前に連れて行かれた。
その中から細身の黒いパンツとシンプルな白のワイシャツを手に取る。
すぐにフルーレさんから「これは地味で駄目ですね」と奪われた。
次に、ウエストが絞られた薄手の淡い水色のロングワンピースを選ぶ。
それだけではまだ寒いだろうから、白いカーディガンも一緒に手を取った。
その選択にフルーレさんは渋い顔をしながらも、ゆっくりと頷いた。
納得はしていないけれど、妥協をしてくれそうだった。
私が選んだ洋服たちを手に取り、フルーレさんはにこりと笑う。
「それではお着替えをお手伝いいたしますね」
『えっ？ もう一度おっしゃっていただけますか？』
「主様のお召し替えをお手伝いいたします」
思わず聞き違えかと思い聞き返すも、内容は変わらない。
可愛らしい方ですけれど声は女性にしては低いですし、フルーレさんは男性かと思っていたのですけれど、実は女性でした？
『……間違えていたら失礼ですが、フルーレさんは実は女性、ですか？』
「いくら主様でも俺を女扱いするのは許しませんよっ！」
『そ、そうですよね……すみません。フルーレさんは男性、ですよね……。間違えてはいない、ですよね……。フルーレさんは、男性……』
何度も首を傾げてみるけれど、そんな私をフルーレさんは不思議そうにキョトンと見つめる。
私の常識がおかしいのだろうか。
執事とはいえ、異性が着替えを手伝うのはおかしいのではないか。
おかしいような気がするが、異性でも執事が主の着替えを手伝うことがこちらの常識であるならば、私はそれに従うべきなのだろうか？
せめて、衣装係のフルーレさん以外の意見も聞いたほうが良いかもしれない。
『少し、頭の中を整理するのでお待ちくださいね……。ナックさん、あの……って部屋からいなくなってませんか！？ フ、フルーレさん、ナックさんはどちらに行かれたかご存じですか？！』
「ナックさんはこれから主様がお召し替えされるので部屋から出ましたよ？」
『やっぱり異性が着替えを手伝うのはおかしいですよね！？』
ここ最近で一番の大声を出してしまった。
目を丸くしたフルーレさんに、すぐに謝る。
だけど、私の常識もおそらくおかしくないことは分かった。
着替えの手伝いはきっと同性の執事の役目だ。
ここまで男性の執事しか見かけていないが、女性の執事……執事でなくとも、メイドや侍女はいないのだろうか。
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
