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『そ、それもそうですね……。ムーちゃんは不思議な猫ちゃんですもの……。慣れるまで時間がかかりますよね』
ムーちゃんを元いた場所にゆっくり戻す。
……今、何も考えないで調理台の上にムーちゃんを戻してしまいましたけれど、食べ物を扱うところに猫ちゃんを置くのはどうなのでしょうか？
それも、今までどこでどうやって生活していたのか分からない猫ちゃんを。
『……そういえばムーちゃんって最近お風呂に入りましたか？』
「“おふろ”ってなんですか？ 主様！」
無邪気に笑うムーちゃんを慌ててまた抱きかかえる。
思わずロノさんのほうを見ると、頬がひきつっていた。
『……ムーちゃん、まずここは料理を作る場所です。ですので、ムーちゃんは調理台やテーブルの上に乗ってはいけません』
「は、はい……」
『それと、ムーちゃんは猫ちゃんですので、普段は毛づくろいだけでも大丈夫かとは思いますが……今日は一度お風呂に入ってきれいになりましょう』
「あ、主様。よろしければ、お、俺がムーを洗います」
『フェネスさんが、ですか？』
「は、はい……。俺は主様の入浴補助係ですので、適任かと」
『そうだったのですね……。それではお願いしてもよろしいでしょうか？』
「承知いたしました」
『ありがとうございます、フェネスさん』
「お、お礼なんていらないですよ、主様」
『ムーちゃんも、夜が明けたらフェネスさんに洗っていただく……ということでよろしいですか？』
「はい！ フェネスさん、ありがとうございます！」
そうして、ムーちゃんは私の腕の中からフェネスさんの腕の中へと移された。
ふと自分の服を見てみると、ムーちゃんの黒い毛が付いている。
ナックさんから借りた上着にも、黒くて目立たないでしょうけれどムーちゃんの毛が付いていそうですね……。
お返しするとき、忘れないで毛を取らないと。
『それにしても、皆さん早起きさんなんですね』
「「えっ」」
何名かの声が重なる。
ナックさんとフルーレさんがそっと私から視線を外した。
ハウレスさんとフェネスさんは苦笑いである。
『あら？ 違いましたか……？ もしかして普段は皆さんもまだ眠ってらっしゃる時間でしたか？』
「あー……オレは朝の仕込みでいつもこれくらいの時間ですし、ハウレスもフェネスさんと朝稽古はいつもこれくらいからしているよな」
「ハウレス“さん”な。とにかく、ナックとフルーレはその様子じゃあ、昨日は寝てないんだな」
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
