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ナックさんは、私の隣を歩きながら尋ねる。
「主様、すでにどなたと顔を合わせましたか？」
『えぇっと……ベリアンさんとルカス先生とロノさんの三人です。ナックさんは四人目の執事ですね』
「そうでしたか。では、この屋敷に何人の執事がいるかは聞きましたか？」
『いいえ。そういえば聞いていませんね』
「この屋敷には私を含めて十三人の執事が生活をしております。ちなみにですが、各階に執事室があり、そこで三,四人で過ごしています」
『それでは、まだ私がお会いしていない執事は九人もいらっしゃるんですね……覚えられるでしょうか』
「ご心配なさらずとも大丈夫です。皆さん癖が強いですから忘れられません。それに忘れてしまっても時間をかけて覚えられれば問題ありませんよ……それと主様、出過ぎたことですが一つだけご進言いたします」
足を止め、真剣な表情で私を見つめるナックさん。
何を言われるのか不安になり、固唾を呑む私。
声が響かないようにか、ナックさんは私の耳元に顔を寄せて小さな声でささやいた。名前を告げたあとは、すぐに顔が離れる。
「主様、どうか“ラト”という執事にはお気をつけください」
『ラトさん、ですか？ それはどうして……ですか？』
「そうですね……精神が不安定な執事でして、安定していれば主様に危害を加えることはないでしょうが、そうでないときは主様の安全を保障できませんので……可能でしたら最初から近づかないほうがよろしいかと」
『ご忠告、ありがとうございます。ラトさんへの意地悪とかではなく、私を思って……のことですよね？ ですが、私は実際に話してみて、ナックさんのおっしゃるとおり危険な方だと判断したら、それからどうお付き合いしていくか考えようと思います』
「いえいえ、主様のお望みのままに。それにしても主様はずいぶんとお優しい御方ですね」
『そんなことは⸺』
「廊下の真ん中で何をしているんだ、ナック」
「これはこれはハウレスさん。主様に屋敷内を説明していたところです」
ナックさんがパッと私の手を離して、振り向きながら答える。
正面から、また新たな執事が現れたようだ。
ナックさんの陰からそっと覗くと、トレーニングウェアらしきものを着た男性がいた。
その方は慌てた様子で、私に一礼をした。
「主様！ 主様とお会いするとは思わず、こんな格好で申し訳ございません。俺は執事のハウレスと申します。これからよろしくお願いします」
『ハウレスさん、ですね。私はAと申します。こちらこそ未熟な主かとは思いますが、よろしくお願いいたします。それと夜も明けぬ内から運動でしょうか？ お疲れ様です』
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
